経過によって異なる仕事内容

専門看護師の新たな分野の1つとして、災害支援ナースがあります。これは自然災害や人為災害などが起こったときに、被災地へ行って被災者の手当てや二次災害を防止するために必要な処置などを行う仕事です。

日本は昔から多くの自然災害に晒されてきましたが、最近でも1997年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震などは記憶に新しいでしょう。将来的には首都直下型地震が起こる可能性があると噂され、いつ自然災害の被害に遭うかわかりません。そうした背景から災害看護の必要性が高まって、災害看護を行う看護師である災害支援ナースが登場したのです。

災害支援ナースは被災地にいる被災者に対して医療手当を行うだけでなく、それ以外のさまざまな仕事を行います。災害が起こってから3日以内であれば、被災者の中でも重症患者に対して気道確保などの初期治療をしたり、軽症者に対して怪我の処置をしたり、一般市民の健康状態の確認などです。災害から1ヶ月から半年が経過すれば、高齢者や障害者、子どもに対して精神的なケア、および保健衛生や感染症の調査を行います。災害から2年から3年程度であれば、慢性疾患や感染症などの看護やPTSDなどの精神疾患のケアを行うのです。

災害支援ナースは、各地方自治体にある看護協会に登録されています。看護協会は、災害が起こったら災害や被災の状況を調査し、被害程度に応じて災害支援ナースを派遣するという仕組みです。